8:30 ―朝礼・ミーティング
外来診療は一部予約制。本日診療する患者さんの情報を看護師さんたちとチェックします。
8:40 ―外来
坂戸先生が自ら待合室に出て患者さんを呼び出します
「すぐに診療を必要とする具合の悪い患者さんがいないかどうか顔色や様子をみています。それと地域医療では患者さんの生活背景や人間を知ることも重要ですから、待合室にいる患者さんたちの人間関係も見ています。意外な人が友達同士だったり親戚だったりするんですよね。また、耳が遠い患者さんは目を合わせて呼ぶことも必要なので、基本的には自分で待合室に出て患者さんを呼ぶようにしています」
軽度の腹痛を訴える70代の男性患者さん
坂戸先生はイラストを描きながら腹痛を起こしているいくつかの要因を丁寧に説明。胃カメラ検査を勧めたが、患者さんはリンゴ農家で収穫時期は忙しく一カ月後の検査を強く希望。患者さんの個別性を尊重し、一カ月後の検査日までに何かあれば相談するように伝える。
定期的に通っている90代の患者さん
聴診器による診察の後は、患者さんの昔話を聞きながら受け答えなどの様子を確認。ご家族にも普段の様子や困っていることをヒアリング。腰の痛みがあり、痛み止めの薬を使いたいものの副作用が心配で躊躇していることや、排尿回数を減らす薬について相談があった。坂戸先生は「この痛み止めは副作用が少ないので、もう少し積極的に使ってみても大丈夫ですよ」と患者さんが不安なく薬を飲めるよう丁寧に説明。
以前、心臓の治療をしたことのある80代の患者さん
30年以上前から通っている方で、この日は目に違和感があるという相談。坂戸先生は何かあれば気軽に相談できる診療づくりを心がけており、住民からとても頼りにされている。
子育て中の長谷川弘美先生は平日の日中だけ(17:00まで)の勤務。もともとの専門は小児科だが、現在は総合診療医として研鑽しつつ幅広く診ている。「長谷川先生がいてくれて本当に助かっています」と坂戸先生。
12:00 ―昼休憩
2階の休憩室に看護師さんや病院スタッフが集まり、みんなでお昼ご飯
坂戸先生のお昼は愛妻弁当。
地域医療研修に来ている研修医の先生に津軽弁講座が始まるなど、賑やかで楽しい昼食時間です。この日はスタッフからゆで栗の差し入れもありました。
13:20 ―訪問診療前のミーティング
本日、訪問する在宅患者さんについて確認
患者さんの状態、前回訪問したときの様子、薬の確認、ご家族が気にしていることや要望などを共有し、どう対応していくのか事前確認します。
14:00 ―訪問診療
坂戸先生と長谷川先生の2チームに分かれて訪問診療宅へ
各チーム4~5件の家を訪問します。在宅患者数は50名程で在宅患者さん一人に対して月2回程度、一回20~30分の訪問をしています。
患者さんの血圧や体温を測り、聴診器で異常がないかどうかを確認
「身体の具合はどうですか?」「痛いところはないですか?」と患者さんに声をかけながら状態をチェック。地域医療研修に来ている研修医の先生も患者さんに声をかけながら診察し、坂戸先生がその場で診療のポイントなどをレクチャーします。
床ずれの処置や、尿カテーテルの交換や、薬の処方をしながら、ご家族から患者さんの様子や要望をヒアリングします。「痛み止めの薬は効果がでているのか」「排便や排尿の管理は上手くいっているのか」など、ときに坂戸先生が療養における悩みや問題点をご家族から引き出し、助言をしたり、指導したりします。
訪問診療宅に、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、ホームヘルパー、訪問看護師などの多職種が集まりミーティング
坂戸先生が患者さんの状態を説明し、今後の治療方針や薬のことなどを患者さんのご家族の要望を聞きながら確認、共有します。また、各職種から現状や心配なこと、確認事項などを共有します。
16:00 ―研修医の振り返り
研修医の先生が、その日に外来で担当した患者さんについてプレゼン
どのような症状で、どのような検査や治療、薬の処方をしたのかなどを一人ひとり確認し、坂戸先生と長谷川先生が研修医の先生にレクチャーしていきます。
たとえば、「貧血のある人は、小球性ではなくても、消化管内視鏡検査について本人と相談する」「薬を減らしたい患者さんは経済的な要因もありうること」「午前中が特に元気が出ない患者さんに対するスクリーニングの質問方法」など、患者さん毎に診療のポイントを説明。研修医の振り返りは、「自分の振り返りにもなる大切な時間です」と坂戸先生。
17:00 ―業務終了(月・木のみ夜間外来あり 17:00 ― 18:30)